2009年10月17日土曜日

人間工学的グリップ

















人間工学的グリップを見せてもらった。
これは長距離走るときの、上肢の疲労を軽減する為のデザインだろう。
通常アップライドの場合、手指の部分よりかは
手のひらの部分で上肢の荷重を支えるが、
その手のひらを広範囲に支持することで、上腕の筋肉疲労を
軽減する狙いが見て取れる。

逆にマウンテンバイクのような悪路を走行するような場合は、
長時間グリップに上肢の体重を預けるような乗り方よりは、
頻繁にグリッピングを変えて、身体のバランスをとらなければならないから、
手のひらの支持部分は邪魔になるかもしれない。

素材としては、一般のママチャリより軟質な素材を使っている。
さらに荷重はかかる中心部分には、より軟質な素材が使われ、
表と裏で表面の凹凸処理の深さと形状が異なっている。
これはどういう実験から導きだされた形状かはわからないが、
より摩擦をふやし、安定感をだすためのデザインと思われる。

2009年9月7日月曜日

YikeBike





いや〜、なかなかいいんじゃないでしょうか、このバイク。
その名も「YikeBike」。
エレクトロニックブラシレスモーターでリミッター20km、
フルカーボンボディ、重量10kg、
エレクトロニック・アンチ・スキッド・ブレーキでスムーズなブレーキング。
20分の充電で9km走行可能。

バイクや自転車みたいに駆動機構がむき出しになってなくて、
安全です。
非常時にバイクから降りる時にもまたがっているスタイルより
遥かに身体の自由度が高い。
安定性はどうなのかわからないですけど、
セグウェイを見た時からの構想らしく、
サイトにある映像に見る限り、姿勢センサーなどがついているんでしょうか、
初めて乗った人も上手に乗りこなしています。
重心がかなり上にありそうなので、見た目はちょっと怖いです。
段とか急な旋回、急ブレーキの時、上体が放り出されそう。
けど、きっと大丈夫なんだろうと期待します。

乗ってるときの容姿は、どうでしょう。
今の私の感覚では、ピストバイクに乗っている容姿の方が
かっこよく思えます。
が、これはこれでかっこいいかも?って思える余地はあるかなと。
普及してこれば、最先端のスタイルとして
脚光を浴びる可能性は否めません。

発売は2010年半ば、3,500ユーロとお値段はまだまだ高いですが、
都市生活者にとってはとても利用価値の高い乗り物に思えました。
個人的にはセグウェイより断然欲しいです!!
映像の音楽もいい感じ。

2009年9月6日日曜日

WONDER×WONDER






ホッケが深海魚って今日初めて知りました。
NHK「WONDERxWONDER」という番組が好きでいつも見ているんですが、
今日は「ホッケ柱」がテーマでした。

春のプランクトン大発生の時期に、
深海からホッケの群れが一勢に海面まであがってくるそうです。

そのとき発生するのが「ホッケ柱」。
なかなかお目にする事ができない幻の現象だそうですが、
北海道の奥尻島沖では、現在でも4-5月にかけて、見る事ができるそうです。

3万匹ものホッケの群れが作る「ホッケ柱」。
どうやってこのような縦に長い群れができるのか?
普通の群れはこんなに縦長にはならないですよね。

このメカニズムを番組内で解明するという所がNHKの底力ですね。
大学、研究機関の教授や情報処理の専門家の協力を得て、その驚くべきメカニズムを解き明かしてくれました。
十分に論文ものでした。

ハリウッド映画などで鳥や魚の群れをCGで再現する時に使われるBiodアルゴリズムを使って、ホッケ柱のメカニズムを再現することに挑戦です。

Biodアルゴリズムはシンプルな3つの基本ルールによって魚の群れの動きを再現することに成功しています。
1.仲間と同じ方向に動く。
2.仲間とぶつからない。
3.群れの中心を目指す。

しかし、この3つのルールだけでは「ホッケ柱」はいつになってもあらわれません。
ここで、ホッケ特有の要素を加えます。
ホッケは浮き袋がないので、餌にむかって縦方向に勢い良く泳ぎます。
そしておなかが一杯になると、浮いていられないので、下の方に降りてきます。

つまり
1.上方にある餌に向かって泳ぐ。
2.おなかがいっぱいになったら、下方に降りる。

この2つのルールを加えると…。

見事に「ホッケ柱」が再現されたのです。
ホッケ柱は海中に渦を発生させ、海面近くに沢山いるプランクトンを
海中の中に引き込みます。
そのことで、海中にいる仲間たちもプランクトンを食べる事ができます。
このことは、海上にいる天敵「カモメ」から身の安全を守ることに
非常に有利な機能です。

食べることが目的で群れをなす、というのは、
群れの意味合いにおいても、新しい知見だそうです。
結果、防御にもなっているという、すごい機能です。

東京水産研究所の教授が
人間が都市を形成して、便利に暮らすように、
魚も都市を形成するんだね。っていう言葉がシンプルに表現されててよかったです。

この群れのメカニズムを見て思ったのが、
人間社会も案外シンプルなルールだけで、
できてんるんじゃないかな〜っていうこと。

1.豊かになりたい
2.愛し愛されたい

みたいな?

2009年8月29日土曜日

expression#2























実質、明日と迫った「expression」。
ブルーノートでデザインプレゼンテーションをしなくてはならない。
他の出演者たちがバンドや弾き語りをする中での、デザインプレゼンテーション。

分野違いも甚だしいし、聴衆の期待するものともだいぶ違うだろう。
だから、この1ヶ月近くずっと頭の中で構想を練ってきたが、
ついぞ今日の今まで手つかず…。

ここまで何にも手がつかなかったプレゼンテーションも珍しい。
が、最近のプレゼンテーションの準備はいつも土壇場にならないとできない。
昔はヤバいヤバいと思っていたから、事前に準備する時間をたっぷりと取っていたけど、
なんとかこなしてきた実績からか、
頭の中で構想が固まるまで、いいアイデアが出るまで、
なかなか作業に取りかからなくなってしまった。
逆に言えば、それさえ固まってしまえば短時間で仕上げられる
あまり良くない自信がついてしまっている。

今回も時間がないにも関わらず、20世紀少年のテレビを見ていた。
が、それを見て、それをヒントに、はたと構想が固まり始めた。
あまりにも遅すぎやしないかいと思いながら、
後は全力で制作するのみだ。

2009年8月25日火曜日

expression
























2009年8月30日
名古屋ブルーノートで行われる音楽イベントに
デザインをテーマに出演します。
デザインプレゼンテーションとバンドで一曲歌う予定です。

ポスター、デザインしました。

2009年6月24日水曜日

バイオミメティクス





以前のNATIONAL GEOGRAPHICの特集で
Design By Natureというのがあった。
自然界の生物の特徴・特殊能力を解析して、
人の使う製品として応用した例がいくつかあげられていた。

この種の分野を「バイオミメティクス」をいうらしいが、
とても興味深い分野である。
競泳界を騒がした「SPEEDO社」の水着も、この分野の功績で、
サメの肌の微細は構造を解析・応用して生まれたものである。

一番上に示したのは「ザトウクジラのひれ」。
このひれで重要なのは、先端部分の突起形状であるらしい。
このなだらかなジグザグ形状のおかげで、
水の抵抗が減り、スムーズな泳ぎができるのだという。
この特性を風力発電に活かそうという試みが次の写真。

風力発電に使うプロペラは通常凸凹のない、スムーズな
アウトライン形状をしている。
風を受けてプロペラが回転するとき、
風とプロペラの摩擦によって、その摩擦音がすごいのだという。
つまり、摩擦によってエネルギー損失が生じているのだ。
この損失を減らし、騒音をなくす試みとして、
「ザトウクジラのひれ形状のプロペラ」を試験運用中なのだ。

そして最後にその形状を、
自転車のインパネ兼ハンドプロテクターとしてデザインしたものが
最後の写真。
一個前のスレッドで書いたように、
軽量化・高速化していくトランスポーターとしてのトライクを考えたとき、
空気抵抗というものは、非常に重要な課題だ。
このスケッチでは、「ひれ」と「手」という役割的共通点から
ハンドル周りのデザインアプローチとして採用してみた。

しかしながら、ザトウクジラのこのコブ形状(突起形状)は
Googleで画像検索を試みたところ、
頭部と顎部にも見られる。
おそらく、ひれだけでなく、大きな身体に受ける水抵抗を減らすための
工夫が身体中に施されているはずである。
また、他の魚類では小離鰭(しょうりき)と呼ばれる、
小さい背びれの連続したものを纏っているものもある。

そういった身体の要素や構造、構成によって抵抗を減らすものもあれば、
身体全体の形状を工夫することで水抵抗を減らしているものもある。


これはその身体形状を車の車体形状に活かした例で、
メルセデスベンツのコンセプトカーらしい。
今回はNATIONAL GEOGRAPHICSの転載記事ばかりだが、
自然界の微細でエレガントな構造・構成というものは、
かくも美しくそしてなんと効率的なのだろうかと、
感嘆するばかりである。

ナノレベルでのものづくりが可能となった今、
こういった微細構造から生まれる、
新しい素材、表面特性、テクスチュアは
とてもエキサイティングな発達を遂げるに違いない。

2009年6月16日火曜日

未来の自転車






自転車をデザインしようと思ってから、
もう2年も経つ。
どういう自転車かはその最初の頃からなんとなく見えていて、
3輪か4輪で、電動アシスト+人力で、
フレームなどの構成材はカーボンなどを使った超軽量。
特別に電動アシストモーター(単体)もある企業から手に入れた。

トライク(3輪自転車)と電気自動車の間のような乗り物で、
難しい免許も必要なく、お年寄りも脚の不自由な人も
日常生活の足として気軽に使えるもの。

いろんな自転車を試乗してみたが、
こういった福祉的な用途を含む乗り物は
機械的技術が高度でないものが多く、
重くて、ダサクて、エネルギー効率が悪いものばかりだった。
その悪さを補う為かのように電気エネルギーを使っているような感じだった。

しかしながら、自転車という乗り物は
本来ならおそろしく速い乗り物だ。
ちゃんとしたものであれば、
一般人がペダルを漕ぐ事で生まれる200kwのエネルギーで
30km/hは優に出す事ができるし、
リカンベントタイプの自転車にフィンをつけて空気抵抗を減らし、
さらに電気アシストを伴えば、
45km/hで100kmドライブする事ができるくらいである。


超高効率で環境負荷の少ない乗り物として、
自動車と自転車の距離は
将来的に少なくなっていく事は間違いない。
自動車においては、ただの60kgの人体移動の時に、
無駄な鉄のかたまりを移動させるのは、非効率としか言えない。
このような提案は
自動車メーカーからも自転車メーカーからも数は少ないけれども、
いくつか見られるようだ。

このような乗り物が実際に
本当に必要としている人が街で利用できるようになるには、
法律の改正、改善が不可欠であり、先決である。

2009年6月11日木曜日



日本デザイン学会が6/26-28の期間、
名古屋市立大学 芸術工学部のキャンパスで開かれる。

ポスターやらチラシ、プログラムなどは
印刷そして配送も完了し、
自宅にも届いた。

後は1000人という芸術工学部のキャンパスにとっては
膨大な数の参加者をさばくための、運営システムの準備を
詰めていかなくてはならない。


今は、その参加者を誘導するためのバナーを作っているところ。
正確にはざっくり僕が描いて、後輩が作業しているのだが。
今回の学会のオフィシャルタイプフェイスを「ヒラギノ明朝」にした。
ポスターなど全てこのタイプフェイスで組んでいる。
そしてバナーも然りで、上の絵のようになっている。

が、全て同じタイプフェイスでは目立たせたいところなどが、
どうしても埋没してしまう。
そこでバナーの会場名部分のアルファベットには「Didot」を選んだ。
数多くのセリフ体書体から組み合わせを試行錯誤した上、決定した。

このバナーデザインの過程においての、
デザイン的経験値の獲得としては、「Didot+ヒラギノ明朝」の美しさを言える。
書体の太さ調節がフォントの限りで、精査できていないのが残念だが、
とても良い組み合わせである。

2009年6月6日土曜日

ときめも入稿




「ときめも」をA2、A4と少しデザインを変えて、入稿しました。

入稿の事前確認でOKをもらい、さぁという時、
入稿時間の直前に一回文字修正が入り、
よしできたと確認してもらい、OKが出て、入稿。
そしてさらに、入稿後にもう一回修正が入り、
慌てて印刷を止めてもらい、
修正をかけて、入稿。

その10分後に、さらに間違いを発見しました、との電話。
アクセスのURLを開いても、ウェブページが出てこないって!?
そんなはずはない。だってコピペして開いてたもん。

出先だった僕は慌てて、後輩にすぐ確認するように指示。
案の定しっかり出るじゃないか!
本当に心臓に悪いから止めていただきたい。

何の為にわざわざ確認作業を自分でない他人にお願いしているのか。
もう修正というか、
もともとの不備としかいいようがない内容ばかりで、
頭が痛い。

あと、直前の修正というのが、再生紙を使用してください。とのこと。
「このポスターは、再生紙を使用しています。」の文言もいれて。
未だに名古屋市では再生紙を使う事で環境アピールしてるらしい。
アホ臭。
印刷会社も急に言われても紙を用意していないし、
環境に悪いことなど良く知っている。

頭が痛い。

2009年6月2日火曜日

通称「ときめも」



とりあえず情報いれるものは入れた。
B1くらいのサイズで刷るならいい気がするけど、
B2とかA4になるから、ちょっと弱いかな〜。

っていうかちょっとダサイ気がしなくもない。
とくにタイポグラフィが…。

この案件、通称「ときめも」です。

2009年6月1日月曜日

エッシャー的作品群の試み


エッシャー的作品群の試み。
「エッシャー」という単語が頭から離れないでいて、
少しで終わらせれば良かったはずの作業が、
大工事になってしまった。
思いついてしまったら、一応やってみないと気が済まない。
結果つかえなくても、それはそれとして。

予定外の変更はもともとあったデザインまでも
全て変更させなくてはならない。
そこまで持ってきてくれた人には、申し訳ないが、
とりあえずやってしまおうと思っている。

結果、悪くなっていれば止めるし、
良くなっていれば採用する。
今やってるこれは結構きわどい線だ。
絵的にはいいけど、ポスターとしてまとめられるか
ちょっとまだ先が見えていない。

2009年5月31日日曜日

今回のお薦め


昨日、日にちをまたいで2:30にやっとこさ今シーズンのメニューが完成した。

デザインの大枠はいつも早くにできあがるんだけど、最後の調整に本当に時間がかかる。
昨日もみんなが帰っていく中で、支配人と二人でワイン談義に花を咲かせながら、打ち合わせし、入稿データまでしあげた。


今回は関谷酒造の「空」とヴーヴ・クリコのヴィンテージラベルを限定商品として、売り出す。
特にヴーヴ・クリコのラ・グランダム[1996]はデザイン的にすごくいい。
ボトルもアイスジャケットも超かっこいい!ホストクラブとかでは
女の子がボトル欲しさに入れるんだとか。っていうかそういうところでしか、
売れないらしい。まぁ、この値段だもんな。

コレクションと言えば、ブラントンのキャップスタンド付き
全27種キャップセットがブラントン6本同時に入れるともらえるんだとか。
手元にはまだ2個しかない。
いっそ6本入れてしまおうかと思っている。