2009年6月24日水曜日

バイオミメティクス





以前のNATIONAL GEOGRAPHICの特集で
Design By Natureというのがあった。
自然界の生物の特徴・特殊能力を解析して、
人の使う製品として応用した例がいくつかあげられていた。

この種の分野を「バイオミメティクス」をいうらしいが、
とても興味深い分野である。
競泳界を騒がした「SPEEDO社」の水着も、この分野の功績で、
サメの肌の微細は構造を解析・応用して生まれたものである。

一番上に示したのは「ザトウクジラのひれ」。
このひれで重要なのは、先端部分の突起形状であるらしい。
このなだらかなジグザグ形状のおかげで、
水の抵抗が減り、スムーズな泳ぎができるのだという。
この特性を風力発電に活かそうという試みが次の写真。

風力発電に使うプロペラは通常凸凹のない、スムーズな
アウトライン形状をしている。
風を受けてプロペラが回転するとき、
風とプロペラの摩擦によって、その摩擦音がすごいのだという。
つまり、摩擦によってエネルギー損失が生じているのだ。
この損失を減らし、騒音をなくす試みとして、
「ザトウクジラのひれ形状のプロペラ」を試験運用中なのだ。

そして最後にその形状を、
自転車のインパネ兼ハンドプロテクターとしてデザインしたものが
最後の写真。
一個前のスレッドで書いたように、
軽量化・高速化していくトランスポーターとしてのトライクを考えたとき、
空気抵抗というものは、非常に重要な課題だ。
このスケッチでは、「ひれ」と「手」という役割的共通点から
ハンドル周りのデザインアプローチとして採用してみた。

しかしながら、ザトウクジラのこのコブ形状(突起形状)は
Googleで画像検索を試みたところ、
頭部と顎部にも見られる。
おそらく、ひれだけでなく、大きな身体に受ける水抵抗を減らすための
工夫が身体中に施されているはずである。
また、他の魚類では小離鰭(しょうりき)と呼ばれる、
小さい背びれの連続したものを纏っているものもある。

そういった身体の要素や構造、構成によって抵抗を減らすものもあれば、
身体全体の形状を工夫することで水抵抗を減らしているものもある。


これはその身体形状を車の車体形状に活かした例で、
メルセデスベンツのコンセプトカーらしい。
今回はNATIONAL GEOGRAPHICSの転載記事ばかりだが、
自然界の微細でエレガントな構造・構成というものは、
かくも美しくそしてなんと効率的なのだろうかと、
感嘆するばかりである。

ナノレベルでのものづくりが可能となった今、
こういった微細構造から生まれる、
新しい素材、表面特性、テクスチュアは
とてもエキサイティングな発達を遂げるに違いない。

2009年6月16日火曜日

未来の自転車






自転車をデザインしようと思ってから、
もう2年も経つ。
どういう自転車かはその最初の頃からなんとなく見えていて、
3輪か4輪で、電動アシスト+人力で、
フレームなどの構成材はカーボンなどを使った超軽量。
特別に電動アシストモーター(単体)もある企業から手に入れた。

トライク(3輪自転車)と電気自動車の間のような乗り物で、
難しい免許も必要なく、お年寄りも脚の不自由な人も
日常生活の足として気軽に使えるもの。

いろんな自転車を試乗してみたが、
こういった福祉的な用途を含む乗り物は
機械的技術が高度でないものが多く、
重くて、ダサクて、エネルギー効率が悪いものばかりだった。
その悪さを補う為かのように電気エネルギーを使っているような感じだった。

しかしながら、自転車という乗り物は
本来ならおそろしく速い乗り物だ。
ちゃんとしたものであれば、
一般人がペダルを漕ぐ事で生まれる200kwのエネルギーで
30km/hは優に出す事ができるし、
リカンベントタイプの自転車にフィンをつけて空気抵抗を減らし、
さらに電気アシストを伴えば、
45km/hで100kmドライブする事ができるくらいである。


超高効率で環境負荷の少ない乗り物として、
自動車と自転車の距離は
将来的に少なくなっていく事は間違いない。
自動車においては、ただの60kgの人体移動の時に、
無駄な鉄のかたまりを移動させるのは、非効率としか言えない。
このような提案は
自動車メーカーからも自転車メーカーからも数は少ないけれども、
いくつか見られるようだ。

このような乗り物が実際に
本当に必要としている人が街で利用できるようになるには、
法律の改正、改善が不可欠であり、先決である。

2009年6月11日木曜日



日本デザイン学会が6/26-28の期間、
名古屋市立大学 芸術工学部のキャンパスで開かれる。

ポスターやらチラシ、プログラムなどは
印刷そして配送も完了し、
自宅にも届いた。

後は1000人という芸術工学部のキャンパスにとっては
膨大な数の参加者をさばくための、運営システムの準備を
詰めていかなくてはならない。


今は、その参加者を誘導するためのバナーを作っているところ。
正確にはざっくり僕が描いて、後輩が作業しているのだが。
今回の学会のオフィシャルタイプフェイスを「ヒラギノ明朝」にした。
ポスターなど全てこのタイプフェイスで組んでいる。
そしてバナーも然りで、上の絵のようになっている。

が、全て同じタイプフェイスでは目立たせたいところなどが、
どうしても埋没してしまう。
そこでバナーの会場名部分のアルファベットには「Didot」を選んだ。
数多くのセリフ体書体から組み合わせを試行錯誤した上、決定した。

このバナーデザインの過程においての、
デザイン的経験値の獲得としては、「Didot+ヒラギノ明朝」の美しさを言える。
書体の太さ調節がフォントの限りで、精査できていないのが残念だが、
とても良い組み合わせである。

2009年6月6日土曜日

ときめも入稿




「ときめも」をA2、A4と少しデザインを変えて、入稿しました。

入稿の事前確認でOKをもらい、さぁという時、
入稿時間の直前に一回文字修正が入り、
よしできたと確認してもらい、OKが出て、入稿。
そしてさらに、入稿後にもう一回修正が入り、
慌てて印刷を止めてもらい、
修正をかけて、入稿。

その10分後に、さらに間違いを発見しました、との電話。
アクセスのURLを開いても、ウェブページが出てこないって!?
そんなはずはない。だってコピペして開いてたもん。

出先だった僕は慌てて、後輩にすぐ確認するように指示。
案の定しっかり出るじゃないか!
本当に心臓に悪いから止めていただきたい。

何の為にわざわざ確認作業を自分でない他人にお願いしているのか。
もう修正というか、
もともとの不備としかいいようがない内容ばかりで、
頭が痛い。

あと、直前の修正というのが、再生紙を使用してください。とのこと。
「このポスターは、再生紙を使用しています。」の文言もいれて。
未だに名古屋市では再生紙を使う事で環境アピールしてるらしい。
アホ臭。
印刷会社も急に言われても紙を用意していないし、
環境に悪いことなど良く知っている。

頭が痛い。

2009年6月2日火曜日

通称「ときめも」



とりあえず情報いれるものは入れた。
B1くらいのサイズで刷るならいい気がするけど、
B2とかA4になるから、ちょっと弱いかな〜。

っていうかちょっとダサイ気がしなくもない。
とくにタイポグラフィが…。

この案件、通称「ときめも」です。

2009年6月1日月曜日

エッシャー的作品群の試み


エッシャー的作品群の試み。
「エッシャー」という単語が頭から離れないでいて、
少しで終わらせれば良かったはずの作業が、
大工事になってしまった。
思いついてしまったら、一応やってみないと気が済まない。
結果つかえなくても、それはそれとして。

予定外の変更はもともとあったデザインまでも
全て変更させなくてはならない。
そこまで持ってきてくれた人には、申し訳ないが、
とりあえずやってしまおうと思っている。

結果、悪くなっていれば止めるし、
良くなっていれば採用する。
今やってるこれは結構きわどい線だ。
絵的にはいいけど、ポスターとしてまとめられるか
ちょっとまだ先が見えていない。